強制竜巻流発生装置 排気ガス吸引ターボ

1.はじめに

気候変動による自然災害が地球全体に広がり、豪雨や落雷、竜巻、強風、干ばつ 等の異常気象が世界各国で起こり、多大な被害をもたらしています。これら異常気象の原因とされているのが、CO2排出による温暖化だとされています。

しかしCO2は、私達の地球にとっては必要不可欠な物質であり、地球上に存在しなかった酸素の源である事を重要視した上で、CO2の排出量を制御しながら温暖化対策を行う必要があります。

私達の地球は、誕生時には、木星や火星等の他の惑星と同様に酸素が無く、生物体は存在していませんでした。しかし、地下のマグマの変動により排出されたCO2により植物体を産み出し、その植物体が吸収したCO2から光合成により酸素を生産し、長い年月をかけて生物体が誕生して私たち人類が存在しています。他の生態系と違い知性と理性を持った人類は、地球上を発展させてきた一方で地球環境を脅かしている事も現実として受け止め、地球環境の改善を行う使命があります。

現在社会では、電力と自動車等の動力は、生活環境に最も必要とされており、これらの動力の殆どは、化石燃料を利用した燃焼により得られます。これらの燃焼ガスからは様々な物質が排気されますが、中でもCO2は気候変動要因とされ温暖化の原因とされています。

私達の生活に必要不可欠な動力を維持する為には、動力を生み出す内燃機関等の燃焼 効率を向上させCO2の排出量を減溶化する必要があります。

近年になりCO2削減対策として自然エネルギー利用が重要視されていますが、自然エネルギーを利用した動力は安定性に欠けます。したがって、化石燃料は動力確保には欠かせない動力源になる事から内燃機関の燃焼効率を向上させる装置開発の必要性を論じます。

2.充填効率

エンジン等の内燃機関の燃焼効率を向上させる手段として、燃焼室内の充填効率を向上させる事で動力源の燃料と空気比率を安定化させる事が出来ます。

充填効率を向上させるには、燃焼後の排気ガス排出が重要な課題になります。

自動車等の内燃機関は、燃料と吸引し取り込む外気の比率を安定化する事が出来ますが、排気ガスの排出に関しては幾つかの問題点が有ります。

内燃機関から排出される燃焼ガス中には様々な化学物質が存在するため、環境中に負荷を与える物質を排出させない為の浄化装置等が取り付けられています。

取り付け例として、排気ガス浄化触媒装置が有ります。浄化触媒装置は、一体型の網目状に仕切られたフィルターで排気ガスが通過する事で排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)・窒素酸化物(NO)・一酸化炭素(CO)の有害成分が網目状の触媒内を通過する際に接触反応を起こし、無害な二酸化炭素(CO2 )、水(H20)、窒素(N2)に変換します。また、ディーゼル自動車の排気ガス中に含まれる粒子状物質除去装置としてDPF装置等も大気汚染の観点から取り付けが義務化され始めました。[図1 参照]

DPF装置取り付け

これら排気ガス浄化装置は、環境保全上では必要な装置である一方で、内燃機関の燃焼効率上では排気される燃焼ガスの排出抵抗を与え、排出の妨げとなるため、燃焼室内に未燃焼ガスを発生させる要因となっています。

内燃機関での燃焼では、燃焼室内で燃料と吸引外気を混合した混合ガスを圧縮し爆発させ燃焼ガスを圧縮排気させます。これらの動力作用をクランクシャフトとコーンロッドで回転駆動させ連続的に行います。引く力と押し出す力の特徴として、同じ力を加えた場合では、引く力の方が多くの物体を引き込む事ができるため、自動車等の内燃機関に関しても燃焼に必要な空気を効率良く引き込む事はできますが、燃焼室から押し出す燃焼ガスは、内燃機関に負荷を与える事になります。更に燃焼ガス排気管の途中には、排気ガス浄化触媒や粒子状物質除去装置DPF、消音装置等の排気抵抗が掛かる各装置が連結されており、内燃機関に多大な負荷と燃焼室内の充填効率に影響を与え燃焼効率を低下させています。

燃焼ガス排気効率を向上させる事で燃焼室内の充填効率と燃焼効率を向上させる事で、内燃機関の負荷が軽減するため内燃機関から得られる動力を効率良く伝達させる事でき、燃料消費量の軽減化とともにCO2発生量の削減が期待できます。CO2発生量の制御は、必要な手段だと思われます。

3.排気ガス吸引排気装置の開発

内燃機関から排出される燃焼ガスを効率良く排気する為には、排気管出口に強制吸引装置を取り付ける必要があります。しかし、機械的に吸引排気する方法は、自動車等バルブの開閉が頻繁に行われる内燃機関からの排出は、燃焼ガス量が頻繁に異なるため、排気吸引量の調整と費用対効果も含め難しいと思われます。よって、内燃機関から圧縮排気される排気圧力を利用し、内燃機関自らの作用で吸引排気する装置が必要となります。

比較例として、排出される燃焼ガスに負荷を与える事で充填効率が低下し、燃焼効率を低下させる作用のあるロータリーエンジンとターボチャージャー(過吸器)を説明します。

通常、自動車等に利用されている内燃機関はクランクシャフトとコーンロッドによりピストンを駆動させ圧縮爆発により吸引排気させています。排気されるガスは脈動し、強い圧力により排気されます。

ロータリーエンジンは、長円型のケース内に楕円形のローターが回り1回の回転で吸気、圧縮、爆発、排気を行います。したがって、通常のレシプロエンジンの様な脈動が少なく、圧縮した排気圧力が弱い事から排気管の抵抗を受けやすいため、低回転では、燃焼室内の充填効率が悪く未燃焼ガスが多く発生します。但し、ロータリーエンジンは、高回転では排気ガスの流速が早く低回転時に比べ燃焼効率が向上します。

ターボチャジャー(過吸器)を利用したエンジンは、燃焼室内から排気される排気ガスの流速を利用しインぺラーを回し、反対側のインぺラーで外気を強制吸引させて燃焼室内に圧送します。そのため、低回転時には排気管の抵抗を受け易く、燃焼室内の充填効率を低下させてしまい未燃焼ガス量が増えます。しかし、ロータリーエンジンと同様に高回転では、排気ガスの流速が早く燃焼効率が向上します。

ロータリーエンジンやターボチャジャー(過吸器)を利用した内燃機関の燃焼効率を向上させるには、効率良く充填効率を向上させる装置が必要となる事が理解出来ます。

排気ガスを効率良く吸引排気させる為には、排気管出口に取り付けられる簡易な小型化装置の開発が必要条件となります。機能としては、排気管出口で抵抗無く排気圧力を上げ、排気ガスの排出流速を上げる事で得られる効果を利用した吸引排気機能を持たせる装置の開発が必要となります。これらの作用を自然現象を利用し開発に取り組み、開発された装置が図2の仕組みとなります。

排気ガス吸引排気装置

排気管から圧送される燃焼排気ガスをサイクロン状の室内に押し込みます、通常はサイクロン状に絞り込まれた出口では排気ガスの吐き出しに圧力が掛かり内燃機関に負荷を与えてしまい燃焼効率を低下させてしまいます。これは高回転になる程、内燃機関に負荷を与えてしまいます。そこでサイクロン状に絞り込まれた壁面にリボン状の螺旋板を取り付ける事で排気される燃焼ガスを強制的に旋回流を起こさせます。これは、遠心力作用を利用した方法で、図3の様なペットボトルから水を出す時にペットボトルを回す事で絞られたペットボトル出口から勢い良く排出する事が出来る作用を利用し、排気抵抗を軽減化し排気ガス排出流速を加速させます。

サイクロン状に絞り込まれた出口から排出流速を得て解放される旋回流排気ガスは出口周辺の気圧を下げる事で吸引力を得ます。これは、竜巻と同じ原理で図4の様な効果があります。

開発された装置は、上記の作用を利用し、内燃機関(エンジン)の回転数によって異なる排気ガス量と流速により効率良く吸引排気する事が可能となった装置で排気管出口に取り付ける事で排気抵抗を軽減化し、内燃機関の負荷を軽減します。よって、燃焼室内の充填効率を向上させる事で燃焼効率が向上し、低回転から高回転域まで出力を向上させ低燃費を可能にしました。

燃料消費量とCO2発生量は比例する事を考慮して、下記の実証データから考えても燃料消費を軽減化する事で、CO2排出量の減溶化につながることが明らかになりました。

旋回流排気イメージ

燃費向上率実証データ

nenpi