2013年3月8日に行われた、下水道汚泥焼却減容実験の結果が発表され、この実験において「下水道汚泥の95%減量・78%減容」に成功しました。
3.3.1汚泥等燃焼減容実証(国立大学法人東京工業大学)(付録1-4及び2-4)
本技術は、放射性セシウムに汚染された下水道汚泥等を焼却炉(ドラムスクリーン型ロータリーキルン焼却炉)で焼却・焼成させることにより減容化するものである。焼却炉より発生した飛灰はサイクロンに入り、ダスト(飛灰)の大きさによっては回収され、サイクロンで回収されなかったダストはスクラバーで回収する(付録2-4-3 参照)。
下水道汚泥を燃焼した場合の減量率は 95%、減容率は 78%であった。また燃焼温度800℃から900℃では、下水道汚泥中の放射性セシウムは、ドラムスクリーン型焼却炉下部より回収された焼却灰、サイクロンの下部より回収された飛灰とスクラバー水中の浮遊物質(凝集剤による沈殿処理により回収)に存在した。凝集沈殿により処理されたスクラバー水の放射性セシウム濃度は10Bq/L 未満であった。本試験において、放射性セシウムの物質収支はとれなかったが、排出ガスの放射能濃度(134Cs+137Cs)は0.21Bq/m3と、環境省放射能濃度等測定方法ガイドライン[9]の空気中の濃度限度より低くいことを確認した。
この他、排出ガスでは、シアン化合物濃度と一酸化炭素の濃度が高かったため、二次燃焼装置の増設を行う等の対策が必要である。スクラバー水を凝集沈殿処理した処理水は、放射能濃度(134Cs+137Cs)は約5Bq/L であったが、水素イオン濃度(pH)9と生物化学的酸素要求量(BOD)及びシアン化合物が高くなった。BODについては未燃のタール分のスクラバー水への流入が考えられ、シアン化合物は、燃焼工程で未燃ガスとして生成されるシアン化合物によるものと思われる。これらの結果から、スクラバー水については、放射性セシウム濃度のみ注目するだけでなく、その他のBODやシアン化合物等の項目について、適切な管理が必要である。
平成24年度除染技術選定・評価等業務結果報告書より抜粋
【原典】平成24年度除染技術選定・評価等業務結果報告書